恋よりもっと。~トモダチ以上カレシ未満~
会えない会わない
寛と会わない日が続いている。
それは、私が望んだもので、寛が望んだものではないようだ。
あれ以来、寛が第三営業部にやってくることはなかった。
一応、私に気を使っているらしい。
しかし、相変わらずラインは頻繁で、飲みや食事の誘いは一日置きくらいに来る。
寛の行動が意味不明だ。
私を困らせて楽しんでいるのだろうか。
寝たことにこだわって、自分を遠ざける私が憎くなったのだろうか。
ただでさえ、婚約者の裏切りにあったばかりの寛だ。
味方になって、甘えさせてくれる私がいなくなったのは痛いのかもしれない。
寛はそんな小さな男ではないと信じている。
しかし、ショックは性質を変えるものだ。
正直、寛のことが今の私にはよくわからない。