ただ、君の隣にいたいだけ
「・・・今から配役を発表する。ナイトレッド、潤。ナイトブルー、野村。ナイトイエロー、愛梨。ナイトグリーン、ノッポ」


「えっ?えっ?お、俺っすか?無理っす。無理っす。そんな大役」



「無理じゃない。やれ!出来ないなら今すぐ辞めろ。どちらかだ」



ノッポくんが戸惑っている。確かに躊躇するよね。だっていきなりの、大役過ぎる。

でも、亮輔さん。あんな言い方してもしノッポくんが辞めてしまったらまた人数が減ってしまう。



「ノッポ、お前を抜擢したのは身長だけじゃない。一番、お前が新人たちの中で努力しているとこの数日間で感じたからだ。やっていることは部活の延長に近いかもしれない。でも、俺たちはお金をもらって仕事しているんだ。中途半端なことをするくらいならやらなくていい。どうする?仕事、するか?」



「・・・はい。俺、仕事やります。頑張って亮輔さんに認めてもらうようにやります!!」



気がつくと拍手を送っていた。多分、彼はここにいる誰よりもプレッシャーに押しつぶされそうになるに決まってる。


でも、それでも決断したんだ。
すごいよ、すごいよノッポくん。



「あと、それと俺の名前、川崎拓馬です。いい加減覚えてください」



「グリーンをやり切ったら覚えてやるよ」

「絶対、拓馬って呼ばせてみせるっす」
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