ただ、君の隣にいたいだけ
「タラシか。確かにあの時の俺は花菜ちゃんに嫌われるタラシ男だったかもね。でも、今はもう大人ですからその辺はちゃんと弁えてますよ。それに俺は今、夢に向かって一直線ですから」



「・・・夢?」



「そう。俺はねスーツアクターなんだ」



「スーツアクターって、何?!」



「中の人だよ!ヒーローの中の人」



明海には内緒だよと唇に人差し指を当てる。ヒーローの中の人?それってよくヒーローショーとかに出てるあれ??



「青池ファミリーパークが来年閉園するのは知ってるよね?そこで結構、頻繁に来春いっぱいまでヒーローショーが行われるんだけど俺はそれに出るんだ」



「・・・はあ」



「だからファミリーパークから徒歩で通えるここに居候させてもらうことになったってこと。ほら、俺の家引っ越して遠くになっちゃっただろ?で母さんがおばさんに話してくれて置いてもらえることになったんだ。ちなみにヒーローショーがないときはお店番したり明海と遊んだりしてるよ」
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