ただ、君の隣にいたいだけ
「・・・亮輔さん、今日は本当にありがとうございました。すごく楽しかったです」



「・・・花菜ちゃん、頂上に着いたらキス、してもいい?」



「えっ?」



「・・・ごめん。させてほしい」



繋がれた手は解かれ、両肩に手を置かれ
見つめ合う。もうすぐ頂上。少しずつ私たちの距離が近づいていく。


1センチ、後、1センチでその距離は埋まる。



そして、頂上に着いた瞬間、私たちの距離はゼロになった。今度は触れた瞬間に離れる軽いものじゃない。角度を変えて何度も何度も丁寧に重ねられる。



最初は戸惑っていたけれど私からも次第にキスに応えていった。初恋の場所で初恋の人とキスをしている。亮輔さん、好き、好きなんです。あなたも私のことが好き、ですか?




「・・・好き、好きなんです。亮輔さんのことが好きなんです」
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