ただ、君の隣にいたいだけ
「はあ。なんとなくわかりましたけどファミリーパークのヒーローショーって簡単にアルバイトとかが出来る程度の低いものじゃないはずですけどね」



「うん。だから俺は専属のヒーロー。あそこは鷹野プロダクションの管轄でしょ?俺はねその関連事務所に所属してるんだ。事務所は仕事や学業と掛け持ちしている人もいる。だから俺もここでアルバイトしながら掛け持ち」



「・・・ご、ごめんなさい。また頭がこんがらかってきました。つまり、ヒーローショーに出るからうちに居候してる?でもなんで居候なんて・・・」



「俺は、一年間この街で過ごしたいんだ。生まれたのも育ったのもここだし。ここでファミリーパークの最後を見て上京するって決めてる。だから花菜ちゃんこれから一年間よろしくね」



ニコニコと手を差し出され、なんとなく断れない雰囲気に私も手を差し出す。よろしくと握手を交わされたけれどなんだかうまく丸め込まれたような気もする。


気楽なお母さんが勝手に決めたんだろうし、私も出戻りだからあまり強くは言えないからなるべく関わらないようにだけしよう。私はそう思っていた。
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