ただ、君の隣にいたいだけ

「何、言ってるんだよ。そんなこと言うなよ。なんでそんなに俺なんかのこと・・・。言っただろ？俺は花菜ちゃんの気持ちには応えられないって」



「分かってます。だから何も望まない。もう自分の気持ちを伝えたりなんてしません」



「・・・それって、俺が誰かと付き合っても花菜ちゃんには関係ないってこと？」


良かった。マスクを被っていて。表情を見られないから堂々と嘘が吐ける。涙を流していても声で演技をすれば気づかれたりなんてしない。


でも、そう。私はもうきっばりと振られたから亮輔さんが誰と付き合おうと口を出す権利なんて一切ない。



「俺は、耐えられない。花菜ちゃんが他の男と目の前で笑いあってる姿とか楽しそうな姿を平然となんて見ていられない。辛い。考えなくちゃいけないことがたくさんあるのに何も考えられなくなる。お願いだよ、あいつとあんなに仲良くしないで」



「亮輔さん、どうしてそんなことを言うんですか？私のこと、本当はどう思ってるんですか？」