ただ、君の隣にいたいだけ

「剣聖戦隊！ナイトレンジャー！！」

最初はバラバラだった決めポーズ。今では乱れることなくピタリと合う。


私ももちろんだけれどここ何週間かの拓馬くんの成長は素晴らしい。彼女には絶対惚れ直してもらえるに決まってるよ。



私はというと亮輔さんが全く分からなかった。近づいてきたと思えばすぐに距離を取られ、距離を取られたと思えば簡単にドキドキさせられる。



今は特別に話すことも無くなってしまったけれど時折、少しだけ感じる視線。でも私が気づけばすぐに目を逸らす。


亮輔さんにとって私は弄ぶ対象？それとも、振ったことに原因があるということなのかな？モヤモヤする。


だから決めたんだ。ヒーローショーを無事、成功させたらもう一度気持ちを伝えてそれに応えられないのならもう気持ちを乱すようなことはしないでほしいと伝えるって。



「えっ？それマジですか？どうしよう」



「悪いな、亮輔。さすがにお前に移ったら大変だから今日は誰か他の奴に頼んでくれないか？」