ただ、君の隣にいたいだけ
「行きません!あなたが居候なのは認めざるを得ませんが、私を巻き込むのはやめてください」



「・・・太るよ」



「はっ?!」



「だって一日中、家にいて食べて寝てを繰り返してたら太るに決まってるよ。せっかく若いのに可愛い服も着れなくなっちゃうよ。サイクリングはいい運動になると思うけど」



なんなの、タラシのくせに!失礼極まりない男。でも、確かに卒業してからはずっと引きこもりだったし、自炊もしてない。適当にお菓子摘まんでただけだったし、そういや楽な服装ばかり。



私、まだ若いのに終わってる?
悔しい、悔しいけど・・・。



「行く、サイクリング行きます」



お姉ちゃんが出勤前に明海をうちに連れてくるのが日課。こんなに小さいからお母さんと離れるのは寂しいはずなのに明海はニコニコと手を振る。


気がつくとタラシの手を掴んでるし。
ダメだ。タラシの影響はよくない。



「明海、今日は私が明海を乗せてあげるよ」



「ダメよー。花菜は慣れてないでしょ?あーくんがケガでもしたら大変。その点、亮輔くんはいつも明海を連れて行ってくれてるから問題ないのよ」
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