ただ、君の隣にいたいだけ
さすがにみんなと同じ場所ではいきなり着替えられない。慣れれば気にならないわよなんて愛梨さんは言うけれど男性陣はほとんど競泳用の水着一枚。


私も愛梨さんに競泳用の水着を下に着てくるほうがいいと言われて着てきたけれどそんな姿を見せたりなんてまだ出来ないし、見られない。


いつもはダメだけれど今日は特別だとプール開きで有料のシャワーがあるから行っておいでと愛梨さんが言ってくれたのでパーカーを羽織りこっそりそこに出向いてシャワーを済ませた。


「あれ?もうみんな帰っちゃったんですか?」



控えに戻ると亮輔さんの姿しかない。あれ?愛梨さんと綾羽さんとご飯食べに行く約束していたのにな。



「アクター軍は銭湯に行くって言っててすぐ帰ったし、他の奴らも帰ってもらった。晩御飯の約束してたんだっけ?また日にち改めてって言ってあるから」



「えっ、でも・・・」



「花菜ちゃんが言ったんだろ?握手会が終わったら、って。ほらっ、おいでよ」



あんなの、嘘だよ。ちょっと意地悪したかっただけ。だから亮輔さんも上手く対応してくれたって思ってたのに。


なんで、両手広げて私を待ってるの?
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