ただ、君の隣にいたいだけ
「わ、私、汗かいてるんで」



「愛梨から聞いた。シャワー室行ってきたんだろ?あっ、そうだ預かってたラブレター」



明海のラブレターだ。早く、読みたい。ありがとうございますと手紙を受け取ろうと差し出した手をキュッと引かれ、一瞬のうちに亮輔さんの腕の中に引き込まれてしまった。


閉じ込めるように両腕を強く回される。目の前には亮輔さんの胸板。



「り、亮輔さん?!」



「ぼくは、ずっとナイトブルーがすきだったけどきょうはこられなかったかなのかわりにてがみをかきました。かなはいつもぼくといっしょにナイトレンジャーごっこをしてくれます。さいしょはへんなナイトピンクだったけどいまはてれびのナイトピンクみたいです。かながいちばんすきなナイトピンクをぼくもすきになりました。これからもがんばってください」


「それ、明海が?」



「代筆はおばさんだけどね。でも、明海からの正真正銘の手紙だよ。封筒の中に一緒に明海が描いたナイトピンクの絵が入ってた」



「明海・・・」



「俺の腕の中にいるのに他の男のこと考えるんだ」



「な、何言ってるんですか。大体、亮輔さん、意味わからな・・・」



顔を上げて少しイラっとした口調で伝えようとしたのにまた言わせてもらえなくなった。唇に押し当てられた人差し指。



「花菜ちゃん、明日のショーが無事失敗せずに終わったら・・・話したいことがあるんだ」
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