ただ、君の隣にいたいだけ
今日はあの試食販売の給料を貰いに行く日。そのままペンダントを買いに行きたいからヒーローショーでの給料も手にして貰いに行く。


手渡しっていうのがまた働いたお金だということを実感できる。本当に辛かった。もうやりたくないな。でも、こうやって自分のお金があれば亮輔さんとペアのアクセサリーも持てる。


来月はクリスマスだし、本格的にアルバイト掛け持ちしようかな。


「ありがとうございました」



封筒に入れられたお給料をもらって思わず笑みが零れる。大した額じゃないけれど本当に嬉しい。今日は少しだけ色付きのリップを付けてみた。


初めてアクセサリーショップに足を踏み入れるから。前の彼氏はアクセサリーとか付けるの嫌がって話を出しただけで渋い顔をしていたから本当に彼氏とのペアアクセサリーは初めてなんだ。



だけど、亮輔さん付けてくれるかな。私はまだ子どもに毛が生えた程度の年齢だけ大人の甘ちゃんだけど亮輔さんはもう年齢だけじゃなく立派な大人。

ペアアクセサリーなんて子どもじみてて嫌かな。付けてくれないかな。せっかくお給料をもらってホクホクした気分だったのに躊躇ってしまう。


ううん、もういい。自己満足でいい。付けてもらえなくても持っていてもらえればそれだけで十分だ。
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