ただ、君の隣にいたいだけ
「少し、気負いすぎかもしれないわね。もっと子どもの気持ちを理解して同じ目線で楽しむことがあなたには必要かもしれないわ」



私の夢は幼稚園教諭だった。小さな頃から子どもが好きで、私の担任の先生がとても優しくていつかこんな先生になりたい。そう思っていた。


だから短大は迷わず保育科が有名な短大を受験した。それなのに、実習でピアノは弾けず、子どもたちとも馴染めず向いていないということがわかった。


実習の担当の先生は私のために言ってくれた言葉だって分かっていたけれどそのときは何をやっても空回り、うまくいかず卑屈にしか取れなかった。


頑張りましょうねと言ってくれた言葉ですら烙印を押されたようでもう無理なんだと決めつけて悲観的になった。


どうせ、私は向いてない。何をやってもうまくいかない。だから何でもうまくこなす人が羨ましいし、悔しい。



あの人は私が出来なかったことを意図も簡単にやる。だから、好きじゃない。
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