ただ、君の隣にいたいだけ
「ばあーちゃん。いきたい!!」



6月の半ば、梅雨入りしてこの辺りも毎日のように雨が降り続いている。外で遊ぶことが好きな明海は毎日、公園に行けなくて機嫌が悪い。


今日も朝ご飯を食べるために下りたら明海がお母さんに駄々をこねていた。


「だったら花菜と行ってきなさい。そうしなさい、あーくん。花菜なら暇を持て余してるから」



「失礼ね、私だって就活してるわよ。本とかネットでだけど。で明海。どこに行きたいの?」



「ナイトレンジャーのショー!!」



は?何、あの人を見に行きたいと?そんなもん行きたくないわ。また変な説教でもされたらたまらない。降りてきた亮輔さんをチラッと見る。


お前が連れてけオーラを漂せながら。



「あっ、みなさんおはよう。どうした?明海。何か騒いでたみたいだけど」



「おにい、オレナイトレンジャーのヒーローショーにいきたい。らいしゅうショッピングセンターにくるってはやみくんがいってた」



「ショッピングセンター?そんな予定ないんだけどな」
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