ただ、君の隣にいたいだけ
お母さんの声がとても優しくて涙が止まらなかった。素直に甘えさせてもらおう。



ここにいると私はきっとダメ人間になるだけ。今までは意地とプライドがあったけれどそんなもの捨ててしまおう。



夢、敗れて出戻りなんて格好悪いって思ったけど腐ってるほうがよっぽど格好悪い。



伸びきった洋服は捨てて、ボサボサの髪の毛は切ってしまおう。そうと決めたら美容院。久しぶりに化粧してオシャレして澄み切った気持ちでこの街にサヨナラしよう。



お母さんとの電話を切った後、私は強い決意を固めて久しぶりに自分を奮い立たせた。



私の地元はここから電車で1時間。途中で乗り換える。その電車の中から青池ファミリーパークは見える。



ここに来るとき、観覧車を見ながら泣いたこと今でも忘れない。実家から通える範囲の距離だったけれどどうしても一人暮らしがしたかった。



今、思えば遅めの反抗期だったのかもしれないけれど出るからには簡単にすぐ実家には帰らないようにしようとお正月と夏休みくらいにしか実家には帰らなかった。
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