ただ、君の隣にいたいだけ
なんなの?いきなりデート?



しかもこんなとこで誘うなんてタラシのくせに女心が分かってなさすぎ。もしかして天然?焦る自分を隠すように立ち上がり明海の手を引く。



もう呼ばれたよね?これでまだだったら本気で恥ずかしい。もう完全に相手のペースに飲まれてるし。



「かなーっ、しゃしんとってね」




ステージ下に着くとどうやら次に呼ばれるのが50番代だったみたいで恥は掻かずにすんだ。


ただ、亮輔さんは未だに私が言った『ムード』の意味が分からないらしく、ここに来るまでずっと問いかけてきた。


もう余計に聞かれたら恥ずかしいのに分かってない。無視してきたけどまだ言ってるし。本当にこの人タラシだったの?



明海が同じ50番代の子どもたちと一緒にステージに上がる。大好きなナイトブルーの前に立ちたいみたいでそこから動こうとしない。


係りの人に移動させられようとしても動かないから起点を利かせてナイトブルーが明海の肩に手を置いてくれた。



そういうことも臨機応変しないといけないんだ。確かにあそこで泣かれたら困るもんね。
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