ただ、君の隣にいたいだけ
でも今、私は清々しい気持ちで部屋を見上げてる。お母さんとの電話で実家に帰ることを決めて2週間、今日私はようやくこの街からサヨナラする。



荷物は全部送ったし、いらないものや彼にもらったものは全部捨てた。短大に入学したときは夢溢れて毎日楽しかった。授業も友達とのおしゃべりもコンビニでのバイトも毎日充実していた。



合コンで知り合った元カレもよく遊びに来てくれてこの部屋でイチャイチャしたりした。でもそれも日を追うごとにどんどん変化していった。




授業の詰め込みや宿題に頭がパンクしそうになったり、バイトでは失敗の連続。彼氏は冷たくなっていって私にはこの部屋しか居場所がなかった。



だけどちゃんとあったんだ。私の居場所。今からそこに帰る。サヨナラ、たくさん思い出があるこの街。




いいことばかりじゃなかったけれど
忘れないよ。
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