ただ、君の隣にいたいだけ
「はーい!お母さん、お父さん。今から私が5秒数えるのでその間にシャッターを切りまくってくださいね。さあ、いきますよ!せーの・・」



えっ?えっ?そんなスピード勝負?周りのお母さんたちはスマホやらカメラのシャッターを押しまくってる。



急がなきゃ。一応シャッターは押すけれど明海が撮れてるかなんて確認も出来てない。亮輔さんもようやく我に返ってシャッターを押してるみたいだけど本当にちゃんと撮れてるのかな?



「はーい。終わりです。良い子のみんなはステージからゆっくり下りてくださいね」



あっという間に写真会終了。


明海がステージから下りてくるまでの間に自分で撮った写真を確認するけれどカメラの写真はどれもまともにこちらを向いていない。これはお姉ちゃんにも見せられないよ。



「亮輔さん、撮れました?私、全然で」



「ちょっと遠いけど明海とヒーロー全員は映るように撮れた」



見せられたスマホにはちょっと小さいけれど確実にヒーロー全員が写っていて明海のピースサインもバッチリ写っていた。



「すごいですね。やっぱりそういうのもうまく撮れるコツとかあるんでしょうね」



「知りたい?俺が教えられることなら花菜ちゃんに教えたい。さっきのムードってのはよくわからないけどやっぱり俺、花菜ちゃんとデートしたい。俺とデートしてくれる?」



「だ、だからなんでこんなところで言うんですか!!それがムードも何もないって言ってるんです。普通女の子をデートに誘うなら場所とか状況とか考えるじゃないですか。こんな人の多いとこでしかも子どもだっていっぱいいるのに・・・」
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