ただ、君の隣にいたいだけ
「明菜とは同い年だし、腐れ縁で幼馴染みたいなもんだよ。それにあいつは俺の酷い黒歴史まで知っているし、遊んでたときも口うるさくて恋愛対象には一度も見たことないな」



黒歴史はあまり話したくないんだけどとバツが悪そうに話す亮輔さん。お姉ちゃんなら言いそう。私とは違ってサバサバとしているお姉ちゃん。


でも、ホッとしてる私。別にお姉ちゃんと亮輔さんが昔付き合ってたって関係ないはず。だけど、安心した。



「あっ、でもそんなことを聞くってことは花菜ちゃん・・・」



「な、なんですか?」



またグッと顔が近づいてくる。しかも腕もまだ掴まれたままだから距離を取るにも少し後ろに身体の重心を預けるくらい。

な、何でこんなに顔を近づけてくるの?



「夏樹先輩、明菜の旦那で明海の父親の夏樹先輩が俺の先輩ってことも知らなかったのか」



えっ?俺、結婚式にも出席してたんだよって。そ、そうなの?いや、ビックリはしてる。へえ、そうなんだ。お義兄さんが亮輔さんの先輩かって。


でも、でもそれはそんなに顔を近づけて言うことじゃないよね。何を言われるかと思った。あたふたしてる私なんて全くお構いなしの亮輔さん。



弄ばれてる?それともやっぱり天然??
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