ただ、君の隣にいたいだけ
「あの、お風呂ありがとうございました」


冷えた身体をゆっくり温めて用意してくれていた服に着替える。私が着ていた服はさっきおばさんが入ってきて洗濯してくれると言うのでまた甘えさせてもらった。

リビングに繋がるであろうドアを開けるとおばさんがキッチンに立っていて亮輔さんはソファで髪を拭きながらテレビを見ていた。


「ゆっくりしてね。ほらっ、亮輔。あんたもさっさと入ってきなさい。あっ、花菜ちゃんせっかく来てくれたんだからご飯食べてってね。うちの人、今日は泊まりみたいだから。いつも、亮輔がお世話になってるんだからそのくらいさせて」



「えっ、で、でもお風呂まで頂いて、洗濯までして頂いているのにそこまで」



「いいのよ。亮輔なんて相ちゃんに毎日お世話になってるんだから。ねっ、食べてって」



いつの間にか亮輔さんは立ち上がってお風呂に向かったみたい。どうしよう。そこまで本当甘えちゃってもいいのかな？ルンルンと鼻歌を歌いながらキッチンに向かうおばさん。


手伝いますと声を掛けたのにいいから今日は座っててと言われ、仕方なく私は借りてきた猫のような気分でソファに腰を下ろした。
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