ただ、君の隣にいたいだけ
花菜の部屋はそのままにしてあるから。そう言ってくれたので一番に自分の部屋に向かう。ドアの前に掛かった【kana】のプレート。


ゆっくりとドアのぶを回すと本当に私が出て行ったときのままの状態だった。壁には高校時代に好きだったアイドルのポスターが貼ってあったり、机の上の本立てには高校の教科書が置いたまま。



さすがにこれはもう使うことないな。短大時代の教科書もここに送ったけれど使わない。一緒に物置に置くことにしよう。それにしても本当に部屋がタイムスリップしたみたいで居心地がいい。


ベッドのスプリングも久しぶり。
今日からはベッドで寝れるんだ。



懐かしさに浸っているとお母さんが下から私を呼ぶ。もしかして彼が来たのかな。少し心が弾む。


お母さんにも会いたかったけど彼にも会いたかった。なんたって私のボーイフレンドだから。弾む気持ちで階段を駆け下りる。居間の引き戸を開けてお店に顔を出した。



「そんなに慌てなくても大丈夫よ。ねっ、あーくん」


「あけみー!!」



「かなー!!」
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