ただ、君の隣にいたいだけ
亮輔さんにとって私は一体どんな存在?8個の差はどんなに頑張っても埋まらない。俺が笑顔にさせたかったの言葉の裏に期待なんてしちゃいけないよね。



「覚えてないですよ。そうだったんですか。でも、ヒーローショーは好きだったかもしれません。だからまた興味持てたのかもしれないですね」



愛想笑いを振りまいて返事を返す。私の愛想笑いに気がついたのか亮輔さんは黙ってすっと立ち上がり、机の引き出しをゴソゴソと漁り出した。


亮輔さん?と声を掛けるも何かを探してるみたいで返事がない。どうしよう。私も探したほうがいいのかな?



「・・・あった。これ、覚えてる?」



引き出しの中から何かを見つけた彼はそれをそっとテーブルの上に乗せた。そこには2枚の写真。


1枚はこの間の明海のようにヒーローの前に並ぶ小さな私。そして隣には・・・



「亮輔さん?拗ねてる。可愛い」



「言っただろ?俺が笑わせたかったのにヒーローに先越されて悔しかったって」



写真に映る私は笑顔でまだできないピースサインを頑張って似せている。その横で小学生の亮輔さんは少しだけ口を尖らせて写っている。


この写真、家にもあるのかな。
あると嬉しいな。
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