ただ、君の隣にいたいだけ
「あれ?この写真もヒーローショー?でも写っているのは私だけですね」
「違うんだ。実は花菜ちゃんの後ろにいるこのグリーンは俺が中に入ってる。その時、グリーンの人が体調崩して写真会に出れなくてピンチヒッターで写真会だけ出たんだ。それが俺のヒーローとしてのデビュー」
「そ、そうなんですか?!知らなかった」
「花菜ちゃんは覚えてないだろうけど写真を撮り終えた後、振り向いて俺に「ありがとう」って言ってくれたんだ。俺、それが本当に嬉しかった。スーツアクターとしての原動力にもなった。それまで怪人しかしたことがなかったから余計に染みた。だから今度は俺が花菜ちゃんの原動力になりたいんだ」
「ありがとう」なんて少しも覚えていない。ヒーローショーだって数え切れられないくらい行った。でも、私が覚えていないことを鮮明に亮輔さんは覚えていてくれていた。
やっぱり恋愛対象にはなれないのだろうけれど原動力になりたいは心に深く染み渡った。また涙で瞳が潤む。
この人は立ち上がれない私に、素直になれない私に意地悪しながら手を差し伸べてくれていたんだ。そして、私に居場所を与えてくれようとしているんだ。
「違うんだ。実は花菜ちゃんの後ろにいるこのグリーンは俺が中に入ってる。その時、グリーンの人が体調崩して写真会に出れなくてピンチヒッターで写真会だけ出たんだ。それが俺のヒーローとしてのデビュー」
「そ、そうなんですか?!知らなかった」
「花菜ちゃんは覚えてないだろうけど写真を撮り終えた後、振り向いて俺に「ありがとう」って言ってくれたんだ。俺、それが本当に嬉しかった。スーツアクターとしての原動力にもなった。それまで怪人しかしたことがなかったから余計に染みた。だから今度は俺が花菜ちゃんの原動力になりたいんだ」
「ありがとう」なんて少しも覚えていない。ヒーローショーだって数え切れられないくらい行った。でも、私が覚えていないことを鮮明に亮輔さんは覚えていてくれていた。
やっぱり恋愛対象にはなれないのだろうけれど原動力になりたいは心に深く染み渡った。また涙で瞳が潤む。
この人は立ち上がれない私に、素直になれない私に意地悪しながら手を差し伸べてくれていたんだ。そして、私に居場所を与えてくれようとしているんだ。