ただ、君の隣にいたいだけ
「花菜ちゃん?また泣いてるのか。泣き虫だな。でも、本当に嬉しいよ。花菜ちゃんから言ってもらえたことが」



「精一杯、頑張ります。でも、それでも挫けそうなときはまた意地悪でもいい、手を差し伸べてくれますか?」



「もちろん。いつだって俺は花菜ちゃんに手を差し伸べる。掴んだ手を離したりなんてしない」




あっ、また強い吸い込まれるような眼差し。私の中の胸が高鳴る。


ドキドキと音を立てて。視線がぶつかって重なるだけで身体中が火照る。



「・・・そ、そろそろ晩飯用意できたかも。下りようか」



先に視線を逸らした亮輔さん。なんだか少しだけ寂しいけれどそうですねと相槌を返し、立ち上がり私に背を向ける彼の背中をただジッと見つめていた。
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