ただ、君の隣にいたいだけ
賢い賢いと明海の頭を撫でる。公園?公園ってさっきバク転してた人がいたけどあの人が同居人?っていうかなんで赤の他人がうちに居候してるわけ?頭が混乱してきた。



「お母さん!なんか簡単に済ませようとしてるけどちゃんと説明してよ。なんで赤の他人がうちに居候してるの?」



まくし立てる私を制御するお母さん。他人じゃないのよなんて誰かは言わず言葉を濁らせる。他人じゃないなら誰よ?お義兄さんしか思いつかない。



「・・・すいません。今、戻りました」



お母さんに詰め寄ったまま開いた引き戸に目をやればそこには一人の男性が立っていた。顔はさっきちゃんと見なかったけれど服装の感じがさっきバク転していた人に似ている。



キリッとした切れ長の目。色白肌で華奢な身体。髪の毛はサラサラの黒髪で正直、体育会系というよりは読書とかが似合いそうな文化系。


多分、かなりモテると思う。そういや友達が言ってたな。ああいう見た目の人を猫系男子って。でも、明らかに知らない。赤の他人。


なのに私の可愛い明海の頭を撫でてる。なんなのこの人。



「もうっ花菜。そんな顔しないの。ほらっ覚えてない?お母さんのお友達の下ちゃんところの亮輔くんよ」
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