ただ、君の隣にいたいだけ
「じゃあいっそ、『マイク』とかのほうがいいですね。外国人の名前にしてみるとかで」



「それナイスアイデア。よしっじゃあ彼は今日から『マイク』にしよう。あっ、亮輔戻ってきたね。話してたら怒られそうだから戻るね」



愛梨さん、優しそうで可愛い人だな。綾羽さんはちょっと怖かったけれどなんとか馴染めそう。グリーンの野村さん、レッドの庄野さん、それに新人さんたち。



男の人が多いなんて今までとは真逆。短大は女の子ばかりだったし、そういう意味でも心機一転だな。



「悪い、もう一度みんな集まって」



体育館に戻ってきた亮輔さんはなんだかかなりイライラと不機嫌模様。マットにいた人たちもどうしたんだろうとざわざわと集まり始める。


私も行ったほうがいいのかなと台本を手にみんなが集まっている場所に移動した。



「悪い話を今からする。俺らと一緒にタッグを組むはずだった『チームベリーズ』が来られなくなった。どうやら別のイベントとダブルブッキングしていたらしい。だから今いる人間で補っていかなきゃいけない」



騒ぎ始めたのは戦隊モノのヒーローの皆さん。中でもグリーンの野村さんはそんなの無理だろと声を上げて抗議している。
< 96 / 231 >

この作品をシェア

pagetop