ただ、君の隣にいたいだけ
「確かに。今のままじゃ確実に『チームアクシーズ』は終わっている。今日は来ていない松坂と高橋を入れてもベテランが少なすぎる。でもやらなきゃいけないんだ。新人は戦闘員。ヒーローは掛け持ち出来ないからお前らで残り時間完璧に仕上げろ。綾羽はもうアクター集中。花菜ちゃんは悪いけど今までの映像で確実に司会を自分のものにしてほしい」



「じゃあ新人を早速デビューさせるってことか?確かに他のチームならあり得ると思うぜ。普通なら一回の練習とリハで本番だしな。でも、俺らはそこらのやつらとは違う。看板があるだろ?いきなり新人ばかりなんて・・・」



「野村の言うこともわかる。普通ならヒーローと戦闘員を掛け持ちするのが当たり前だしな。でも、最初からヒーローは5人出る。そうなるとヒーロー役が戦闘員を掛け持ちすることは出来ない。後半に出るやつにそれをさせたとしても数が足りない。最後には悪役2人、ヒーロー6人、戦闘員3人だ」



「ちょっと待って。じゃあ新人くんたちの中からヒーローを一人選出しようっていうの?」



話が全然ついていけない。前に立ちイライラした態度を隠し切れない亮輔さんとそれに食ってかかる野村さんと愛梨さん。


そして3人だけで端に集まり話を始めてしまった。新人くんたちまでもが戸惑い始めた。話が見えない。
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