オトナになるまで待たないで
階段 エピローグ
「ヤバい!ヤバいヤバいヤバい!」
帰宅ラッシュのプラットフォーム。
前に進めない。
制服のブレザーが人波にからめ取られる。
高校指定のバッグが誰かに蹴飛ばされる。
投げやりなアナウンスが耳障りに響く。
「ただいま、三根木線は強風の影響で20分ほどの遅れが出ております…」
バイト先まで、改札口からダッシュして3分。
ああ、でも今の時点で5分前。
タイムカードを押すのが1分遅れただけで、30分の時給が引かれる。
「みなさまには、大変ご迷惑をおかけしております…」
謝られても!
どうにか人波を押しのけて、改札口を通りぬける。
ここからが勝負!
駅の真横にある古い雑居ビルに駆け込む。
強風で、髪がバッサバサ。
でもかまっていられない。
エレベーターを足踏みしながら待つ。
来ない。
来ない。
来ない!?
そこでようやく、小さな張り紙に気がつく。
―点検中 大変ご迷惑おかけします―
「ウソでしょ!?」
この時点で多分、残り1分くらい。
慌てて、非常階段に向かう。
帰宅ラッシュのプラットフォーム。
前に進めない。
制服のブレザーが人波にからめ取られる。
高校指定のバッグが誰かに蹴飛ばされる。
投げやりなアナウンスが耳障りに響く。
「ただいま、三根木線は強風の影響で20分ほどの遅れが出ております…」
バイト先まで、改札口からダッシュして3分。
ああ、でも今の時点で5分前。
タイムカードを押すのが1分遅れただけで、30分の時給が引かれる。
「みなさまには、大変ご迷惑をおかけしております…」
謝られても!
どうにか人波を押しのけて、改札口を通りぬける。
ここからが勝負!
駅の真横にある古い雑居ビルに駆け込む。
強風で、髪がバッサバサ。
でもかまっていられない。
エレベーターを足踏みしながら待つ。
来ない。
来ない。
来ない!?
そこでようやく、小さな張り紙に気がつく。
―点検中 大変ご迷惑おかけします―
「ウソでしょ!?」
この時点で多分、残り1分くらい。
慌てて、非常階段に向かう。
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