オトナになるまで待たないで
4…恋


「でもね。うちの主人の気持ちも分かるんですよ」



オバサンのセリフに、私は顔を上げる。

部長はポーカーフェイス。

店長は、眉を上げた。



居酒屋は、開店したばかりで、客は私達だけのようだ。

私、店長、部長が並んで座り、向かい側に加害者の奥さんと弁護士が座っている。


「だって、お宅はパソコンの使い方も教えてくれないって言うじゃありませんか?」



…使い方って、どういうこと?


みんな怪訝な顔をする。



「以前ね、せっかく行ったのに、店員が『うちではパソコンは教えていません。ご自分でやって下さい』って断られたって言ってましたよ?うちの主人は、電源の入れ方も知らないのにですよ?」



な、なんだソレ……来ちゃダメじゃん。
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