オトナになるまで待たないで
弁護士が強い口調でオバサンに迫る。

「もうワタシだって、言いたいこと言わせてもらうよ!

アナタね、この子が死んでたら、どうするつもりだったの!?」


店長が、はっとするのが伝わる。



オバサンが、か細い声を出す。

「…すみません」

「ご主人が過失致死起こしても、相手が未成年だったら起訴されないとでも思った!?

昨日までは真面目だったからって、理由にならないでしょうが!」

「はい…そうです」

「はい、そうですじゃないよアナタ!

自分が被害者だと思ってないか!?

それじゃあ弁護のしようがない。私だって帰りたいよ!」

「ええ。すみません。分かってます…」

「分かってないよ!裁判されたら、まず勝てないよ?

防犯カメラの映像なんて出されたら、裁判所がどう思う?酔っ払いのジーサンに、女子高生が蹴られて、引きずられて歩いてるの見せてご覧なさいよ!ええ!?」

「はい…はい、そうですね」

オバサンは、すっかりしおれきってオバアサンになってしまった。


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