オトナになるまで待たないで
散々急かされて病院を出た。

5時か…さすがに戻って来てるはずだ。

でも面倒くさい。

「あんな無愛想のどこがいいのかなぁ」

まだまだ外は蒸し暑い。

なのに、妃乃は涼しげな顔で言う。

「だって男って感じがするじゃなーい」

「私、どうも嫌われてる気がするんだよね」

「えー?そんな事ないわよぉ。とっても心配してるわよ?」


ムカつく。


店長のせいで、ゴウがいなくなる。


いなくなる…。


いつか、ゴウはいなくなってしまうんじゃないか。

完全に妃乃になっちゃって、ゴウは消えちゃうんじゃないか。



怖い。

想像するのも怖い。
< 142 / 472 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop