オトナになるまで待たないで
本格的に具合が悪いと気がついたのは、バスを降りる直前だった。

プラットフォームに着いた所で、酔っ払いのように体が言うことをきかなくなった。


「海?どないしたん?」

「分かった…薬」

「アンタ、顔色オカシい!」



私はベンチに座らされた。


「駅員さん呼んでくる!」



ゴウを待つ間、私は必死に意識を保とうとした。



薬、合わないんだった。

痛いから、もらってすぐに飲んじゃった。

四種類あったけど、どれが合わないんだろう?



ズルズルと体が下に落ちていく。

忍び笑いが聞こえた。

私を笑っているのが分かった。

寝ぼけてると思ってるんだ。



このまま……人生が……終わっちゃえば……楽なのに……


「海っ!海!?」


ゴウが叫んでる。

男声になっちゃってる。

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