オトナになるまで待たないで
私は目をつぶった。

胃がムカムカした。



ゴウが立ち上がって、店長を迎え入れる。

「バスの中で具合が悪いって言い出したんですぅ。でも降りるような場所がなくてぇ」


隠しきれない、ウキウキ感。

店長、何で来るんだよ。


ああ、もう。ああ、もう。ああ、もう。ああっっ、もうっっ!


「苦しそうだな。襟緩めた方がいいんじゃないか?」

「ですねー。海ぃ、大丈夫?」


妃乃が、シャツの襟をはだける。

ぜんっぜん!心がこもってない。

ますます眉間にシワが寄る。


「ヤダー。本当に可哀想」

「救急車、呼ばないでいいのか?」

「いいって言うんですぅ。海、頑張り屋さんだから」

「意地張らないで、呼べよ」


店長、マジで帰ってくれ。

考えたら、この人が来てからロクなことがないじゃないか。
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