オトナになるまで待たないで
翌日、お墓参りに行った後、

駅前の居酒屋で夕飯を食べた。



何で怪我したのが、聞く様子もない。

特に話すこともない。

だけど、家賃のことだけは言わないと。


「お父さん、今さ手がこんなでしょ?バイトできないんだよね」

お父さんは、近くにある野球のテレビ中継から目を離さない。

「ねぇってば」

「なに?」

「秋までバイトが出来ないのね。秋になっても今まで通りには、すぐ働けないの」

「うん…」

お父さんは興味なさそうに、再びテレビに視線を移した。

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