オトナになるまで待たないで
インターフォンが鳴った。




お父さんにしては、帰ってくるのが早過ぎる。



鍵、また無くしちゃったのかな。
酔うと、すぐ無くすんだもんな。




ドアを開けると、立っていたのは店長だった。


「お父さん、帰って来てるって聞いたんだけど」


私は一気にまくし立てた。

「来てるんですけど今は飲みに出掛けてて、いつ帰ってくるか。また連絡しますので…」


私はドアを閉めようとした。
店長が、素早く足を挟む。

「どうした?」

「別に」

「何かあった?」

「疲れてるんで」


嘘じゃない。

店長、苦手だ。
この人ってホントごまかしが利かない。
< 175 / 472 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop