オトナになるまで待たないで
0時を回ってから、ようやくメールが来た。


―暑いので、帰ります。もう新花巻です―



ウソでしょ…


「どうした?」

店長が聞くけど、言葉が出ない。


「すみません。もう…」

声が震えた。


「もう…か、帰ったって…」

「帰るって?」

「岩手に…」


さすがに店長も黙り込んだ。


「…本当にごめんなさい」

「いや…いいよ」

「ごめんなさい」

「いいって」


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