オトナになるまで待たないで
「病院は薬もらいに行ってるだけでな、日常生活に支障ないみたい」
「じゃあ家に居るんだ」
ゴウは、うなずいた。
「二人でけっこう出掛けたんよ。床でご飯食べたりな。あ、床って川の上にせり出した床があってな、そこで食事すんねん」
想像つかないけど、ゴウの熱心な語り口に、とりあえずうなずいた。
「歌舞伎も宝塚も何回か観たしな…多分、それってウチのことをもう認めてるって言いたいんやと思う」
「そっかぁ」
良かった。
ゴウの幸せそうな顔見てたら、私もたまらなく幸せな気持ちになる。