オトナになるまで待たないで
スタッフルームで着替えていると、ドアがノックされて、金田さんが入ってきた。
「メリークリスマス…」
「暗い声で言わないで下さい」
「あーあ…大学生になれば、誰でも彼氏が出来るんだと思ってた…」
私も今の今まで、そう思ってたけど…違うんですね…。
とは、言えない。
「あら!これ誰のコート?」
「私のですけど」
「可愛い!夏海ちゃんもこういうの着るんだね~」
「もらったんです。いつも来る友だちいるじゃないですか?」
「ああ!あの天使ね」
「衣装たくさん持ってるんですよ」
「衣装?」
「あっ衣装じゃない。服です」
「夏海ちゃん、オンナの子を通り越してオンナになった感じだよねぇ」
うん…。
老けてるんだよな…