オトナになるまで待たないで
病院の場所を聞いて、電話を切った。

すぐにゴウへメールする。

―ごめんね。お父さん、入院!今から行ってくる―



次にバイト先へ電話を掛けた。

「すみません。店長いますか?」

―まだ出勤してないの。折り返す?―

「いえ、父が入院しちゃったみたいで、今から行ってきます。

冬休みが終わるまでには、戻ってくると思うんですけど…」

―大変!いいから、気にしないで!お父さんに付いててあげて―

お礼を言って電話を切った。




何だっけ?

どうすればいいんだっけ?

お金だっけ?

着替えだっけ?


何を用意すればいいんだっけ?



突然、電話が鳴ったので飛び上がった。

ゴウからだ。


―海!大丈夫?―

「今は容態が安定してるけど、すぐに来て欲しいって」

―分かった。東京駅まで送る―

「いいよ、いいよ!」

―行くって。もう近くにおんねん。そっちの駅で待ち合わせよ―


嬉しい。

涙出そう。

「ありがとう…」

―大丈夫や!―


ゴウの声を聞いてたら、本当にそんな気がしてきた。


少しだけ落ち着いたかも。



危篤って感じじゃなかったじゃん。

お話しがあるって言われただけじゃん。

早く荷造りしよう!

< 203 / 472 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop