オトナになるまで待たないで
北国
看護士さんに案内されて、病室に入った。
「坂下さん、娘さんが来ましたよ」
お父さんは、イヤフォンを外してテレビを消した。
ベッドを操作して起き上がる。
「談話室があるから、コーヒー飲もう」
「うん」
点滴はしてるけど、思ったより元気そう。
夏に会った時より、顔色もいい。
あの時には、もう具合が悪かったのかもしれないなぁ。
自分のことで頭がいっぱいだったから、気が付かなかったんだ。
心が痛む。
「夏海は、甘いモノが好きじゃないからなぁ。好きなら、下の喫茶室に行くのに」
「さては、お父さん入り浸ってる?」
お父さんは、超甘党だ。
だけど、首を横に振った。
「動かないから、食欲わかない」
「そんなに痩せてみえないけど」
「むくんでるんだよ。それに、この歳になると早々は痩せなからな」
「坂下さん、娘さんが来ましたよ」
お父さんは、イヤフォンを外してテレビを消した。
ベッドを操作して起き上がる。
「談話室があるから、コーヒー飲もう」
「うん」
点滴はしてるけど、思ったより元気そう。
夏に会った時より、顔色もいい。
あの時には、もう具合が悪かったのかもしれないなぁ。
自分のことで頭がいっぱいだったから、気が付かなかったんだ。
心が痛む。
「夏海は、甘いモノが好きじゃないからなぁ。好きなら、下の喫茶室に行くのに」
「さては、お父さん入り浸ってる?」
お父さんは、超甘党だ。
だけど、首を横に振った。
「動かないから、食欲わかない」
「そんなに痩せてみえないけど」
「むくんでるんだよ。それに、この歳になると早々は痩せなからな」