オトナになるまで待たないで
ICUにいるお父さんと面会した。


まだ麻酔から醒めていないから、話はできない。


口から、鼻から、腕から、お腹から、


たくさんのチューブが繋がれていた。


「お父さん」

と声を掛けた。

お父さんは目をつぶったまま、静かに呼吸を繰り返している。



「私を一人にしないで」



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