オトナになるまで待たないで
「部長が出たら、教えて」
「アンタ、なんなん!?応援せーや!松井さんセンポウやで!」
センポウって、何ソレ?
「部長、いつ出るの?」
「チューケンやから、まだ!」
「うううう~~~ん」
「あんなオッサン、どこがええねん!?」
鋭く気合を入れる声がして、店長が打ち合いを始めた。
あんな調子でいつも詰め寄るんだもん。
怖いはずだよな。
「いけええ!!」
妃乃の声が、ゴウになってる。
相手が強いんだか、何なんだかも分らない。
「がんばってー・・・」
と、おざなりに声を出し続けた。