オトナになるまで待たないで
「告白しょうかな」
「告白!?」
私の声は、地下鉄のアナウンスにかき消された。
妃乃は、何かを決意したように顔を上げた。
「ウチ、このままパーティー行くわ!」
「あ…ああ。行ってらっしゃい」
「恋愛マスターに、色々聞いてくる!その人はな、風水も占いも東洋医学も詳しいねん!」
「…結局、何マスターなの?」
「『あっちょんぶりげ』のマスターや!」
私があっけに取られている内に、
妃乃は手を振りながら、反対側のホームに向かって走って行った。