オトナになるまで待たないで
「ねぇ、妃乃」

「ナニ?」



言葉を選んだ。

というか、ずっと言葉を選んでた。


「結局、私さ、彼氏いなかったじゃん?」

「彼氏?」

「そう。彼氏。たぶん、このまま卒業するまで出来ないと思うんだよね」

「海は、忙しいからなあ」

「だからさ…最後のディズニーランド…ゴウの格好してきてくれない…?」



あ~、目が見れない。

どうだろ、コレ?

変?不自然?


私は、たたみかけた。


「このまま、何にも思い出なく卒業したら、後で絶対後悔する気がするんだよ…」
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