オトナになるまで待たないで
明日はいよいよ出発という日の前日、

私たちは最初で最後のデートをした。

ひさびさのゴウだ。
胸が痛い。



「話し方もゴウにした方がええの?」

と聞いてくれたけど、私は首を横に振った。

「そこまでは、いい。ただ雰囲気の問題だから」

「さよか」


いい天気だった。


夢の国の入り口が、私たちを呼んでいる。

「走ろ!」

「もう走っとるし!」

< 258 / 472 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop