オトナになるまで待たないで

「まあ、体は何ともねぇやな」

原さんは鼻を掻いた。

「何ともないって、凄くないですか?」

「でもやっぱり体力なんかは…」

「うちのお祖父ちゃん、原さんの歳にはヨボヨボでしたよ」

原さんは、照れくさそうに言った。

「まぁアレだ。同級生やなんかも車椅子のヤツが多いし、ボケちまったのもいるし」

「でしょう!?」

「そうなんだ。俺は昔っから風邪一つ引かねぇんだ」

「手術したこともないんですか?」

「入院したことねぇもん」

「凄いじゃないですか!!」


原さんは嬉しそうに身をよじった。

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