オトナになるまで待たないで
お父さんが骨になるのを待っている間に、女将さんと色んな話をした。
「お父さんは…私に高校辞めて働けって言ってたんです」
「父ちゃんさ、そら娘と暮らすたかっただもん、寂しいさ、娘と暮らすたらケッパレるべと思うたべな」
骨になったお父さんを見た途端に、
腰が砕けて立ち上がれなくなった。
お祖父ちゃんの時は、寂しかった。
お母さんの時は、虚しかった。
お父さんは…
ふっと記憶が途切れた。