オトナになるまで待たないで

店長の手が頬に触れた。

「お前が消えてなくなりそうで…怖い」

何も言えなかった。

もう何も持ってない。



「何か言って」



お父さんやお母さんは、死ぬ前に何を思っただろう?


「大丈夫ですよ」

と私は言った。

「店長も、もっと笑ってください。私はいっぱい笑ってますよ」

< 344 / 472 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop