オトナになるまで待たないで
店長がむくれた。

「もう店長って呼ぶの禁止する」

「だって…松井さんて呼ぶんですか?」

「敬語も禁止」

「ええ~?」

「冬馬でいい」

ちょっと…いきなり、それは…


「言って」

「そのうちに…」

「いや、今言えよ」

「と、トーマス」

「はぁ!?」


私たちは笑った。

散々、冬馬の練習をさせられて、

そのたびに、わざと間違って呼んだ。


「お前、呼ぶ気ないだろ!?」

「ネタ尽きたんで、いったん持ち帰ります」

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