オトナになるまで待たないで
クモの巣らしきものが身体中にまとわりつく。
「やあっ…!!」
何かが顔にぶつかる。
分からない。
大きすぎるけど…
手で払った感じはクモだ。
虫だけじゃない。
暗闇の中に、もっと黒い何かがいる。
私を横目で流し見ながら、
階段を上がったり降りたりしてるのが分かる。
「うう…う…うう…」
口から泣き声がもれて、全身が震えた。
私、ちゃんと登ってるの…?
本当は堕ちていってるんじゃないの…?
これが自殺なんだ。
自分から生きるのをやめた。
本当の寿命がある場所まで登り続けないといけない。
真っ黒いものが立ち止まって、手を伸ばしてきた。
もう死ねないよ?
もう死ねないよ?
もう死ねないよ?
もう死ねないよ?
もう死ねないよ?