オトナになるまで待たないで
年末
ヒノちゃんが優しい声で聞いた。
「クリスマスのプレゼント、何にしょう?」
「つなね?クリスマスなにおとないから!あはは」
「…クマさんはもう持っとるし、ウサギさんがええかな?」
トウマくんが、グッタリした顔で見ている。
トンちゃん先生が言った。
「時間がいるね。ここ救急病院でしょ?療養施設に移さないと駄目だよ」
「探してます。金は会社から出ますし…」
ヒノちゃんが鋭い声を出した。
「探す必要ないわ。叔父さんとこに移すし」
「それだけは本当に勘弁して欲しい…!」
「アホ!海やって、ワレに施しなんか受けたないわ!」
「俺は…!」
「二人とも座って」
トンちゃんがピシャリと言った。